心理の役割って?

あっという間に年末ですね。今年度は心理チームに新たな仲間が増えたこともあって、自分たちの役割を見つめ直す一年になりました。
今回は、心理チームの大切な役割の1つである心理療法(カウンセリング)について、アメリカの精神科医ミルトン・エリクソンの逸話から考えてみましょう。

エリクソンの少年時代の話です。エリクソンが田舎道を歩いていると、向こうから馬が走ってきました。馬には手綱がついており、明らかに誰かの飼い馬。この時代、馬が一頭いなくなるというのは農家にとって一大事です。エリクソンは「ぼくが飼い主の家に連れて帰るよ」と馬に飛び乗りました。
しばらくするとある農家の中庭に、馬に乗ったエリクソンが現れました。農家の人はびっくりして聞きました。「これはうちの馬じゃないか。君はここを知っていたのか?」。エリクソンは答えました。「ぼくは知りません。でも馬が知っていました。ぼくは馬にまかせて道を走らせてきただけです」。
そう。エリクソンは馬にまかせただけ。馬は時々畑に入って行ったり、草を食べようとしたりと道から外れそうになります。エリクソンはそのたびに「どうどう」と優しく声をかけて道に戻します。そうしていくうちに自然に目的地にたどり着いたのです。
エリクソンはこの話をこういう教訓で締めくくりました。
「これが心理療法の進め方だと思うよ」。

「これはこういう意味だと思う」と決めつけるのも野暮なので、考察はあえてしないことにします。皆さんはどう受け取ったでしょうか?

では、よいお年をお迎えください。

【担当心理士:M】

2021年11月26日