子どもが学期末に渡される通知表…今は「絶対評価」という方式で成績がつけられています。一昔前は「相対評価」でした。
「相対評価」とは、集団内での相対的な位置で判断する方法です。クラス内の成績を順に並べ、上から○人までは成績5、という決め方をします。対して「絶対評価」とは、あらかじめ定められた目標をクリアできているかどうかで判断します。クラス全員が成績5になることもあるし、全員が成績1になることもあります。
さて、子どもを褒めるときに「褒めるところがない」と困ることはありませんか? 「他の子が当たり前にできていることができない」「できて当然のことができても褒めるには値しない」という風に。それは、同年代の子ども(相対評価)や、世の中の基準(絶対評価)と比較しているのかもしれません。「○○君はできているよ」「もう○年生なんだからこれくらいできないと」と頑張らせようとするのも、その流れでやっていることです。そうすると、今度は子どもの方も「○○君もできてないよ」と比較対象を持ち出して回避しようとします。キリがありませんね。
しかし、過去のその子自身と比較してみるとどうでしょう? 「前はできなかったけど、今はできるようになった」「以前より前向きな姿勢が見られる」という感じです。このような見方を「個人内評価」といいます。比べる対象は常にその子個人なので、比較対象を持ち出すこともなくなっていきます。
ちょっと見方を変えるだけですが、個人の中で比較すると良い点は見えやすく、そして褒めやすくなります。ぜひ試してみてください。
【担当心理士:M】