雨の中の私

今年は例年より梅雨入りが遅いそうです。梅雨明けはというと、6月中には明ける、いや7月の下旬まで続く、等いろんな意見があるようです。このエッセイが載る頃には明けていればいいのですが…。

さて、心理テストの中にも、「雨」をテーマにしたものがあります。「雨中人物画(うちゅうじんぶつが)」と呼ばれる簡単な描画法(絵を描くことを通した心理テスト)です。このテストでは、1枚の紙に「雨の中の私」を描きます。雨と自分が含まれてさえいれば、他に何を描き加えても描き加えなくてもOKです。さあ、皆さんも、紙と鉛筆を準備して、描いてみてください。

…描き終わりましたか? それでは簡単に解説します。

この心理テストでは、「雨」はストレスを表しています。つまり、ストレス状況に立たされた時の自分のイメージ、ストレスに対する守り方や適応の仕方の特徴が示されるわけです。

例えば…傘でしっかりガードしているなら、ストレスを自分の力で、一般的な方法で上手く守るタイプ。何かの陰で雨宿りしているなら、心強い誰かを上手く頼ったり、要領良くしのぐタイプ。裏を返せば、他人頼みなところがあるのかもしれません。家の中にいるなら、客観的な視点でしっかり状況を分析するタイプ。より雨を完全にしのげる安全策なので、ストレス状況に立ち向かうよりは避ける傾向があるということになります。もし何のガードもなくずぶ濡れになっていたら、今まさに対応策が見つからず、濡れるがままで辛い状況なのではないでしょうか。でも、むしろわざと濡れていて結構気持ち良さそうだったら、何か吹っ切れていたり、冒険心に溢れている人なのかもしれません。

他のテストに比べると、意味を考えるのがわりと簡単です。友人や家族と描き合い、色々考えを巡らせてみてはいかがでしょうか。

【担当心理士:M】

2019年07月03日